住工房スパイスでは、外壁塗装をすることは、10年に一度の家の外装の総点検をすることだとご提案しております。
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ですから、『どんな塗料がおススメですか?』と聞かれたら、
『10年持つ施工方法で塗る、10年持つ塗料です。』とご提案しております。
フッ素や無機塗料など、期待耐用年数が10年を大幅に上回る塗料もあります。
例えば、無機塗料の場合、カタログに掲載されている耐用年数は、18~20年前後です。
こう聞くと、超高耐久の塗料を塗ったから20年間次の塗装を考えなくてもいいと考える方もいるかもしれません。
自動車の燃費のカタログ掲載値が、実走行燃費とかけ離れているのはご存知ですよね。
ある資料によると、実際の燃費とは平均3割も違うそうです。
参考URL:http://www.jama.or.jp/user/pdf/jitsunenpi.pdf
※6ページ目参照
単純にこれを当てはめるのが適切かどうかは分かりませんが、仮に塗料の寿命も3割短いとすると、18~20年が12.6~15.4年になります。
メーカーが掲載しているように、塗料が約20年持ったとしても、
木部・鉄部などはとてもそんなに持ちませんし、
高耐久シーリング材(サイディング間の目地材)を使っても、
地震動や風の影響などで剥離し、雨水が侵入してくることもあります。
サイディングの釘留め位置や、塗装前のサイディングの状況によっては、
塗膜とは関係のないところでひび割れや反り、うねりが出ることもあります。
今日生まれた赤ちゃんは、10年経つと小学校4年生になり、20年経つと成人します。
今年40才の人は、20年経つと還暦を迎えます。
人間であれば、毎年健康診断を受けます。
ガン検診も部位によって1~数年ごとに受けるよう勧められています。
大切なご自宅は、20年ノーメンテナンスで大丈夫でしょうか?
凍える厳寒の日々が続き、しとしと雨が続く梅雨を超え、紫外線が突き刺さる酷暑のあとで、いくつも台風の暴風雨にさらされる。
屋根・外壁を取り巻く環境は、一年を通してとても過酷です。
10年でも長いかもしれませんが、10年に一度は大切なご自宅の定期検診を受けるつもりで、外壁塗装(=10年に一度の家の外装の総点検)をすることをお勧めします。
ですので、塗り替えの塗料を選ぶ際には、
『10年持つ施工方法で塗る、10年持つ塗料』を基準に選んでください。
次に、10年持つ塗料とはどんな塗料かを考えてみましょう。
あなたが今、ご自宅の外壁塗装を、町の塗装専門店に頼むとします。
ダブルシリコン仕様といって、屋根も外壁も、シリコン樹脂の塗料を使う仕様です。
シリコン塗料と言ってもいろいろありますが、ここでは説明は省略して。
シリコンの中でもいちばん高級な、期待耐用年数12~15年の、弱溶剤2液型アクリルシリコン樹脂塗料で依頼したとします。
すると塗装現場では、何故かこんなことが起こります。
屋根の塗料:シリコン
外壁の塗料:シリコン
付帯物の塗料:ウレタン
付帯物は、何故かウレタンで塗られてしまいます。
恐らく、屋根や外壁と違う色の、付帯物用のシリコン塗料の費用を省くため、予め用意しているのでしょう。
屋根は、住宅の中でいちばん過酷な環境にさらされています。
ウレタンは、シリコンに比べて耐久性が劣ります。
すると、各部位のバランスはこうなります。
各部位で想定耐用年数がバラバラになってしまいます。
しかし5年経ったからと言ってわざわざ足場を組んで付帯物だけ塗装しませんよね。
7年経った時も同様に、屋根だけ塗装する方はごくまれです。
結局いちばん長い外壁の10年に合わせて塗り替えをすることになります。
すると、屋根と付帯物の劣化が進んでしまい、塗り替えでは済まないといった事態が発生することがあります。
せっかく大切なお金を使って塗り替えをするのに、わざわざこんな事態を招くようなやり方をされてはたまりませんよね。
そこで、次の塗り替えを、各部位で劣化が始まる前に、なるべくタイミングを合わせるために、次のように塗料を選択するのはいかがでしょうか。
それぞれ部位ごとに塗料の向き不向きがありますので、一概に上記のご提案が当てはめられない場合もありますが、
要するに、より過酷な環境にさらされる屋根にワンランク上の塗料を、
外壁と付帯物には同ランクの塗料を選択するのが、余計な劣化を起こさせないためには重要なポイントになります。
ここでは塗料の性質、相性、水性と弱溶剤、1液型と2液型の違いなどの専門的な難しい内容をなるべく省いて、より身近に分かりやすく説明いたしました。
何故かというと、塗料に関して調べれば調べるほど、我が家には何を塗ったらいいのだろうと、混乱しているお客様を何人も見ているからです。
相見積もりを複数取ると、1社あたり1~7種類、塗料も各社バラバラで、パニックになって私に相談してきたお客様もいらっしゃいました。
たくさんの時間をかけて選んだ塗料が、我が家にもっとも適した塗料とは限りません。
同じ塗料を塗っても、現在の外装の状態と必要な補修、職人の丁寧さ、その後の維持管理によって、大切なご自宅の持ちは全く変わってしまいます。
どの塗料を選ぶのかももちろん大事です それに加えて、どの業者が、どのように塗るのかが、それ以上に大切です。
さらに、塗膜で劣化を隠してしまうのではなく、外壁自体とその下の構造材まで、塗装前にしっかり確認して、必要であれば修繕をしないと、せっかくの外壁塗装が水の泡になってしまいます。
参考にしていただければ幸いです。